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需給バランスを高めることの重要性
みなさん、こんにちは。

ある高級レストランで最近体験した事から、需給バランスの大切さを考察してみたいと思います。

このレストラン、普段はコース料理が基本の、味には定評のある高級に属するようなレストランです。ところが夏休みのイベントだったのでしょうか、予約制のディナーバイキングを3日間限定で開催しました。
それをネット上で知った私はさっそく電話をかけ、予約をさせて頂きました。90分の時間制でしたが、以前利用させて頂いた事があるため、期待をして出掛けました。

予定時間をほんの5分ほど過ぎてお店に到着しました。名前を告げてテーブルへ案内されました。料理が並んでいる場所を見ると既に多くのお客さんが集まっています。夏休みイベントのため家族連れが多く、中には8名以上の団体のようなご家族もいらっしゃいます。私もさっそく料理の場所へ行きましたが、そこでびっくりしてしまいました。すべての料理が空っぽなのです。集まっていた人だかりは実は料理をよそっているのではなく、待っている人たちだったのです。私も仕方なく料理を待つ人の輪に入りましたが、一向に出てくる気配がありません。ようやく1種類だけ料理が運ばれてきました。しかし、1分も経たないうちに料理のお皿は空になってしまいました。
もっとびっくりしたのは、こんな状態がずっと繰返され続けたことです。つまり一向に改善されないのです。ご年配のおば様方は怒り出しています。「一体どういうことなの!」お怒りもムリありませんね。時間制で高い料金を支払うのに待ち時間ばかり、テーブルに着いている時間よりも料理の前で待つ時間の方が長い状態なのですから。

ここでこのお店の不手際をいくつか整理してみます。

-料理が空になった皿が常態化しており、料理が新たに供給されても待たされている需要量が多過ぎるため、直ぐに欠品してしまう。数品の料理が瞬間的に時々欠品した状態ではなく、全品に近い料理が「常に無い状態」となっている。
-料理は30~35種類程度と思われるが、肉や魚料理は結構手が込んでいると思われる。
-ドリンクはバイキングの対象外で個別オーダーか飲み放題別料金となっている。ただし、お水は無料提供となっているが、店員が各テーブルをまわって給水する仕組みとなっている。しかし料理の提供が遅れるなどで店側は混乱しており、給水に回る事が出来ず、客は水を飲むのも待たされている。
-料理は1箇所に集中して配置されている。このため、料理のまわりに「不自然な行列」が出来てしまい、自分が欲しい料理に直ぐに到達出来ない。
-デザートは提供されたものの、なぜかコーヒー・紅茶とともに最後に提供された。このため、デザートの時間帯は当日最大の混乱(殺到と奪い合い)を招いてしまった。
-店内をマネジメントする人が見当たらず、各店員はお客から何か言われる度に店の奥へと走っている。つまり、お客以上に混乱している。


では、このお店はどんな対応をすればよかったのでしょうか。

まず、料理の提供状況から見て、厨房の設備が少ないか料理人が少ないことは明らかです。普段限られたお客にコース料理を提供する形態からして無理もありません。
このように供給側に制約が多い場合は需要を絞り込むか供給する製品(料理)を絞り込む必要があります。

需要を絞り込むとは、つまり、人数をもっと限定的にするということです。1回でお店に入る人数分すべての予約を受けてはいけません。お店に入る人数分を受け付けるということは、すべての供給が約束出来るという条件がある場合のみです。また、今回は予約制となっていましたが、この予約の意味が供給側で適切に理解出来ていなかったと考えられます。予約とは確約するという事です。つまり受領するけど確約は出来ないというのは予約ではありません。推測で言ってはいけませんが、料理の責任者とテーブル側の責任者との間で事前の話し合いがきちんと出来ていなかったのではないでしょうか。

次に供給する製品を絞り込む点です。これは手の込んだ料理を少なくするか、いっそのこと無くしてしまうと言うことです。味には定評のあるお店ですから、手が込んでいない料理であっても美味しいはずではないでしょうか。客の構成も家族連れが多いのですから、お子さんに人気のあるカレーやから揚げなら比較的短時間で供給出来るはずです。
単純に料理の数を減らすという打ち手もあります。しかしこれは慎重に数を設定しなければ顧客の不満を招きます。この場合は料金との兼ね合いを検討しなければならないでしょう。朝・昼・夜とこれだけバイキングが浸透している訳ですから、顧客側も料金でどの程度のバイキングかという相場感を持っています。この相場感が大切です。自分のお店を基準にして料金設定するとこの感覚から外れてしまう場合があります。
またバイキングでは「質」よりは「種類」と「量」が重視される場合が多いでしょうから、「種類」を余りにも削ってしまうとそもそもバイキングが成立しなくなります。

更に別の観点から、製品の製作や提供にお客さんを参加させるという打ち手もあります。例えばカニなどその典型ではないでしょうか。殻付きのまま提供し、最終的な消費の場ではお客さん自らが殻を剥きます。顧客満足度を下げることなく、作業の労力(工数の負荷)を低減するという手法はサービスビジネスでは重要です。

需要と供給のバランス以外にも上で指摘した不手際への細かな対応も重要ですね。
例えばお水もセルフサービスにすること。
例えば料理をもう少し分散して配置すること。
例えばデザートも最初から提供することなどてす。
また、全体を束ねるマネジメント力も重要です。マネジメントが不在の場合、個々人がバラバラの動きをしてしまうため、ムダやムラが発生しやすくなります。繁忙な場合こそ、個人の能力を最大限に発揮させ、全体として纏まりを生むためのマネジメントが求められます。個人レベルで調整が効くのは平常時や規模が小さい場合に限られます。
会社も同様です。会社規模が小さい、取り扱い製品が少ない、取引先や仕入先数が少ないうちは個人レベルの調整でもなんとか機能しますが、これが大きくなってしまうと個人レベルでは何ともならなくなります。組織力とマネジメント力が重要となってきます。

ところで、何度も手を挙げて店員さんを呼び、ようやくお水をもらった私の隣に座っていらっしゃったおば様方のお1人が店員さんに「こんなことならオーダーバイキングにすればよかったのよ・・・」とおっしゃっていました。店員の女性は申し訳なさそうに「そうですね、すみません」と対応されていました。
しかし、これは適切なアドバイスでしょうか?否ですね。そもそも供給側に制約がある訳ですから、供給制約を上回る個々の顧客が個々の料理をしかもバラバラのタイミングでオーダーしたらどうなるでしょうか。
通常のバイキングとは在庫補充型の生産方式です。欠品したあるいはしそうな料理を基準量だけ生産しますし、消費のサイクルから次はこの料理を作ろうという見込生産でもあります。ですから平準化が容易です。しかしオーダーバイキングとなると受注生産です。しかも同一の料理であってもオーダーのタイミングがちょっとでも違えばまとめ生産が出来ません。この状況はお寿司屋さんでネタが違うだけとか、立ち食い蕎麦屋さんでトッピングが違うだけという場合には有効ですが、このお店には対応は困難でしょう。このお店でオーダーバイキングなどしようものならたちまちどのお客さんも長時間待たされることになります。しかも今回直面した状況より更に深刻となります。それは、単に待つ場所が料理の置かれた場所か自分のテーブルかということではありません。どういうことかと言いますと、待ち状態があちこちで発生すればそれは自分のテーブルでなくても直ぐにわかってしまいますよね。そうすると、顧客は「今食べたいもの」だけでなく、どうせ待たされるのだからと「今食べないしこの先も食べるかかどうかわからないけど余分に注文しておこう」とサバ読みを始めるのです。サバ読みがあちこちで発生すれば供給は更に遅れ始めます。

幸い、終了時間まで暴動(?)は起きずに済みました。しかし残念ながら、この日来店したお客さんで「また是非来たい!」と思って支払いを済まして帰宅された方はまずいらっしゃらないのではないでしょうか。

私自身は、このような状況のバイキングは初めての経験でびっくりしました。しかしその一方で需給バランスの重要性について間近で体験することが出来たことは貴重な経験と思います。

このお店のその日の反省会はどのように行なわれたのか、気になる所ではありましたが・・・


みなさん、未来に向って叡智を出しましょう!!
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貴重な知識を実践に転換しよう
みなさん、こんにちは。

私はコンサルティング支援において、改革活動と併せてプロジェクトメンバーの皆さんの実践力や構想力を高めて頂くために微力ではありますが、教育をさせて頂いております。
私が持っている教育テーマをご提示し、プロジェクトリーダーや事務局とどのテーマを取り上げるかを決めます。

ある企業で、プロジェクトリーダーと検討し、10テーマほど決めました。製造業にとっては基本中の基本となる「SCM(サプライチェーンマネジメント)」も入れました。
その後、教育の予定についてプロジェクトメンバー全員を集めてリーダーから説明を行なったのですが、生産管理部門の方から「SCMなんてもう知っているから時間のムダではないか」「今さらSCMなんて教わることはない」など結構厳しい意見が出されました。
色々と意見はありましたが、結果的には当初の計画通りの教育テーマで取り組むことになりました。

意見の多かったSCMの教育を実施しました。因みに私の教育は一般的な講義オンリーのやり方ではなく、章立て単位にテーマに関連する設問を準備し、グループ検討を行ないます。一般的な設問から、そのお客様で現在発生している問題まで、多岐に渡るも設問を準備します。これを3~4人単位に分かれてもらい、決められた時間内にグループ検討を行い、まとめた後に発表してもらうというものです。
教育テーマ発表時に「SCMなんか・・・」と言っていた人たちのグループ発表がありましたが、まとまっていなかったり、的外れなまとめを行なっていたりで、ちょっと私は「?」となってしまいました。確か「SCMはもう知っているよ」「今さら教えてもらうことなんてないんだけど」と言っていたはずなんですが・・・
ただし、決して彼らが噓を言っていたとは思っていません。知識としては十分にインプットされていると思うのです。

私がこのプロジェクトで調査した結果、この企業のサプライチェーン性能が低いことがわかりました。サプライチェーンのネットワークは複雑になっており、顧客要求納期の充足率は低い、キャッシュコンバージョンサイクル(CCC)が大きいなどなどです。
教育テーマに設定したのも、プロジェクトリーダーの危機感によるものでした。
「我が社のSCMは脆弱であり、この事を理解し改善する組織力も個人の力も弱い。ここにメスを入れなければ部分最適ばかり追求して何も変らない。」

一体何が問題なのでしょうか?
この企業では、多くの人が知識をインプットしたところで止まってしまっているようでした。改革の構想立案の段階では非常に的確な文言が並んでいるのです。かなりレベルが高いと感じました。そこで職場を拝見させて頂きましたが、SCMに関連する書籍や雑誌が棚にたくさん並んでいました。これは職場の長がそれだけ問題意識をお持ちということだと思います。私は「いい環境の職場だなー」と感じました。普通の会社であれば、これほど書籍は揃っておらず、もっぱら自腹で勉強しなさいという環境だからです。
しかし、こんなにも良い環境なのにもったいないですね。知識のインプットのみで終っているのでは。

私も結構本や雑誌は読みます。本ですと月に20冊程度は読みます。勿論「へぇー、今世の中はこれが流行っているんだ」とか「こんな製品が売れているんだ」とコトやモノを理解するだけの読み方もします。
しかし、多くはアウトプットするための手段としての読書です。
ですから、私は
-この部分は今のコンサルティングのこのフェーズで活用しようとしたらどう展開すべきだろうか
-この考え方をもう少し体系化できないだろうか
-この記述は良い面しか捉えていない よし、悪い面を整理して比較表を作ってみよう
-自分だったらこんなアプローチはしない なぜなら・・・
-この表現は素晴らしい 是非今度自分もつかってみよう
などのようなことをノートに取りながら読んでいます。
時には「おっーこれこれ! この洞察が重要なんだ!」と思わず興奮してしまうこともあります。これが私の読書法です。
勿論、こんな読書法を押し付けるつもりは毛頭ありませんし、人それぞれの読書法があると思っています。

若い時は基礎をつくるためにインプットだけの読書で良いと思います。しかし30代後半になってもこの読書法ではビジネススキルは向上しないのではないでしょうか。ただ知識が豊富なだけでは会社で重要な仕事を任せてもらうことは厳しいと思います。
また、単に受け売りするのも問題です。受け売りは表層的で奥行きがありません。ですから、自分の頭の中だけならよいのですが、誰かと議論したりするとすぐに行き詰ってしまいます。「あなたの意見は抽象的で具体性がない」「その程度なら誰だって言えるし知ってるよ」と芳しくない結果が待っています。
「インプットした情報をそのまま鵜呑みにせず、自分なりに咀嚼してアウトプットしていく」これが実践力だと思います。
わかっているだけでは何も変らないし、変えられません。実践してこそ価値ある情報となり、自分を研鑽することにもなります。

お客様への移動の電車の中では常にノートやメモと睨めっこしたり、明日の予定の事を頭の中で整理したりしています。勿論、長時間の打合せで放心状態の時もありますが。
私がメモと睨めっこしている横では、それほど年齢は変らないだろうと思われるサラリーマンがスマホと睨めっこしています。見渡せば同じ車両の乗客の半数程度はスマホをいじっています。私にはわかりませんが、スマホって凄い威力なんですね。


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思考することの大切さ
みなさん、こんにちは。

プロセス改革プロジェクトで散見される事に関して考察してみます。
私がコンサルティング支援させて頂く場合、既に現状の問題点や要求事項を各部門から収集済みという場合があります。
作業が進んでいるプロジェクトでは、各要望/改善事項に対する今後の具体的な対応方法についても整理されています。
各職場から出されている要望を拝見すると、情報システム寄りの要求がかなり多く出されています。
 - 作業指示を各工程毎に出力できるようにして欲しい
 - 実績入力画面で遅延日数を同時に表示して欲しい
 - 工程の進捗情報を、随時最新の状態で検索出来るようにして欲しい
 - 毎回明細1行毎に承認しなければならず効率が悪いので一括承認に変えて欲しい
などです。
これは、いかに今日の業務がITにより支援され成り立っているかの証左と言えます。
ITが業務を飛躍的に向上してきた歴史は実に素晴らしいと思います。
事業改革と言っても、今日的にはIT支援がない改革は成立し得ないとも言えます。

しかし、上記のような要望に対して、
 - その要望が実現されたら何が良くなりますか?
 - 事業へどのような貢献になりますか?
 - そのためには業務や考え方をどう変えなければいけませんか?
 - 制度を変える必要はあるでしょうか?
などを私は必ずお聞きします。
すると、今まで要求事項や不満について勢いよく喋っていた方々が、突然「・・・」となってしまいます。
そこまでは考えていなかったのでしょうか。どうも歯切れが悪くなってしまいます。

どうもプロセスや将来を考えるという習慣が希薄な気がして心配になります。
これは私たちの今日置かれた環境も大いに関係があるとも考えられます。
今私たちが置かれた環境は大変便利です。ボタン1つで何でも出来てしまいます。

ボタンを押せば自動販売機でジュースが変えます。
バーコードをワンタッチで読み取るだけでレジが済んでしまいます。
スマートフォーンもワンタッチでネット上の目的のサイトへ行けます。
洗濯もワンタッチで全自動。
電子レンジもワンタッチでOK。
実に便利です。何も考えなくても事が済んでしまいます。

ここでよく考えてみますと、インプットとアウトプットは明確です。インプットはワンタッチ、アウトプットはジュースであり、切符であり、レジの会計ですね。つまり、プロセスはブラックボックスで考える必要がないのです。

また、情報の氾濫も思考を停止させる可能性があります。自分の実体験以上の無限の情報が現在は簡単に手に入ります。現在のスピードが問われる仕事環境では瞬間的に入手した情報を瞬間的に判断しなければなりません。また氾濫し過ぎているが故に断片的な情報を選択してしまう場合も多いはずです。
例えば、あるネット上の情報で「南アフリカで真っ白な猿が1匹朝の7時に目撃された」とあったとします。しかし別の情報源では真っ白ではなく真っ赤であったり、1匹ではなく4匹であったり、朝7時ではなく夜7時であるかも知れません。この様な場合に全ての情報を収集して吟味している時間がありません。こうして断片的な思考、極端に言えば情報を鵜呑みにして自らは思考しない習慣となって行きます。

便利な世の中ではあるのですが、思考しない「生活習慣病」に無意識のうちに蝕まれている気がします。

私は仕事柄、いつも思考しています。どういった方法論でテーマに取組むか、どういった思考方法でアプローチすれば今のプロジェクトメンバーの方々が納得して活動を進められるか、などです。
別段、だから私が凄いと言いたいのではありません。誤解のないようにお願いします。

その点、ご家庭に小さいお子様がいらっしゃる場合は思考する機会が増えるのではないでしょうか。子供は純粋で好奇心が高いものです。だから「なぜ」「なぜ」を連発します。この時一緒になって思考する、あるいは「今まで自分はこう思っていたけれども改めて子供と一緒にゼロから考えてみようかな」と調べてみるプロセスは役立つのではないでしょうか。

先の業務上の要望事項も、「この要望の背景と目的は何か」をユーザー部門に明確に要望書に記述してもらう、あるいは一緒になって考える、もっと言えば、自分自身で「これが目的ではないだろうか」と仮説を立ててユーザーにぶつけてみるというのも自分を成長させるためには役立ちます。
社内、社外に係わらず「お客様の要望だから、これに応えるのが私たちの仕事だ」という基本姿勢は大切です。しかし、闇雲に取組むのではなく、本質をしっかりと考える、結果のみではなくそのプロセスを理解するということはよりよくして行くためには大切な事だと思います。

時には身近なブラックボックスについて、「どうなっているのだろうか?」と考えてみるのもよいと思います。

某総理大臣が「日本を取り戻す!」と言われていましたが、私たちは「思考を取り戻す!」の姿勢で参りましょう。


みなさん、未来に向って叡智を出しましょう!!
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貴重な1冊の本
みなさん、こんにちは。

今回は、本についてです。
最近購入した本ではないのですが、何度も読んでしまう本があります。

野口嘉則さんの「僕を支えた母の言葉」という本があります。
「僕を支えた母の言葉」

こちらはYouTubeで動画も見られます。
YouTube

皆さんなりにこの実話の重さ、奥深さを考えてみてはいかがでしょうか。

今回はこれだけです・・・
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社内IT部門のこれからの役割
みなさん、こんにちは。

今回は社内情報システム部門の役割り変遷について考えてみたいと思います。
製造業企業様へのさまざまなテーマをご支援する場合、活動の大きな柱は3つあります。

1.企業内外の環境変化に適合するための業務の仕組みの見直し
2.それを運営するオペレーション力、マネシメント力の向上と意識・取組み姿勢の改革
3.業務を支える情報システムの再構築


朝起床して、仕事や学校へ行く場合を考えてみましょう。あなたは、いつも寝坊をして遅刻を繰返しています。どうも今使用している目覚まし時計が10年以上も前に購入したもので、音や音量が選べず、小さな電子音が鳴るだけ、しかも20秒程度で勝手に停止してしまいます。さらにスヌーズ機能もないため、一度止めてしまったら再通知などしてくれません。これはかなり困った目覚まし時計です。そこであなたは、新しい多機能の目覚まし時計を購入しました。現在対応していない機能は全て実装している目覚まし時計です。これでかなり自信が湧いてきました。あなたはいつも通りの時間に目覚ましが鳴る設定にして就寝します・・・
さて、翌朝あなたが予定通りに起床できる確率はどの程度高くなるのでしょうか?
残念ながらその確率は昨日までよりは高まるでしょうが、それほど高くはないはずです。では何故なのでしょうか?
それはあまりにも「手段」に頼り過ぎているからです。遅刻しないで起床するためにはもちろん目覚まし時計は欠かせないツール(手段)でしょう。しかし、朝寝坊している原因は目覚まし時計の機能が一番重要な要素なのでしょうか。いつも夜更かししている生活習慣(生活形態・仕組み)の問題はどうでしょうか。起床後の身支度の手際の悪さはないでしょうか。身支度に不必要な行動(習慣化したムダやプロセス)はないでしょうか。あるいは「よし、明日は必ず起きるぞっ!」という意識、心構えは強く持っているでしょうか。このように考えてみると、目覚まし時計の機能よりも、その他の点の方が大きな問題の可能性が高いのではないでしょうか。

やや話しがまどろっこしくなりましたが、企業経営も同様ではないでしょうか。よく、新しい情報システムやツールを導入することが目的となっているプロジェクトが存在します。情報システムを刷新したり、新しい機能を有するツールを追加したりすると企業の業績が向上すると思っての取組みですね。これはマスメディアにも問題があると私は考えています。つまり、新しいシステムを導入して在庫を削減した、業務コストを削減した、納期遵守率が向上した・・・というさまざまな媒体を通じた情報伝達は皆さんもよく目にしたり聞いたりするのではないでしょうか。
そんなバラ色のツールなど存在するはずがありません。主体はそのツールをコントロールし意思決定する人であり、仕組みなのです。
従いまして、情報システム導入を目的としたプロジェクトはそれほどの成果はあがっていないのが実態と思います。
しかし今日、仕組みと現場力・意識の改革だけでは目標達成はできません。やはり情報システムという事業基盤や仕組みを支える「手段」も重要な要素であることは間違いありません。

情報システムを強化する手法は大きく2つあります。
1.現状の情報システムに新たな機能を追加して強化する
2.現状の情報システムを新たな機能に変更して強化する


また、いずれの場合も更に2つの手法があります。
1.手作りで強化する
2.汎用的なパッケージやツールで強化する


今日では、手作り型の手法は主流ではなくなりつつあります。毎回自前で作りこむよりは、多くの実績をを持つパッケージで対応しようというアプローチが主流となりつつあります。汎用的なパッケージは不具合が少なく安定性が高く、さらに標準機能に自社のモデルが合うか合わないかを評価し、合わない機能に関してはどう改良するかを明確化し改良すればよいため、標準機能への適合度が高ければそれだけ導入に要する期間は短縮されるからです。
この点は私がコンサルティング支援する上での基本的考え方と合致しています。どういうことかと言いますと、お客様のさまざまな組織・階層へヒアアリングをさせて頂くと、多くの場合において「我が社は特殊だから・・・」という意見を頂戴します。
わからなくもないのですが、製造業企業の基本は「創って、作って、売る」です。大変シンプルです。今日では、コモディティ品といえども多種多様な製品が創出されています。また加工技術も高度化・微細化しています。供給先・販売先も国内という枠は既に超えてグローバル化しています。経営戦略面でも、多角化戦略もあれば、ニッチ戦略もあります。企業間のアライアンスやパートナーシップも盛んです。サプライチェーンのモデルも垂直統合から水平連携にシフトしている業種も増えました。
つまり、どの企業も従来に比べると製品も生産技術も経営戦略も特殊化・多様化している」のです。一体、「我が社の特別・特殊性」はどこにあるのでしょうか?こう言っては失礼かも知れませんが、もう少し世の中の潮流を適切に把握しなければならないと言えます。

すみません。話しがかなり横道にそれてしまいました。戻します。汎用パッケージ適用が主流となっている情報システム強化への取組みです。
ユーザー部門は、新しい情報システムの運用に慣れるまでは大変です。画面、帳票は大きく変ってしまうし、ミスした場合のアラートもよくわかりません。助けを求めて連絡しても、連絡を受けた方もまだ慣れていないためレスポンスが悪くかなりの時間待たされることになりイライラしたり業務が停滞したりします。しかしこの過渡期を通過してしまえば安定運用に入ります。また稼働後に入社する新入社員の皆さんは入社した時から新システムですから違和感もありません。このような点から、ユーザー部門は、<span style="color:#66cc33">業務を支援する情報システムを利用するという点では従来と何ら変りはないと言えます。

しかし社内の情報システム部門は違います。大変なことが起こるのです。
従来手作り型のシステムを運用していた企業では、情報システム部門が当該システムの開発・保守を行ってきました。社内の要望をシステム化するという点で大変貴重な存在と見なされていました。
しかしその専門性ゆえに、情報技術に偏り過ぎてしまい、結果として最新の情報技術やプログラミング技術には長けているものの、社内の業務には疎く、ユーザー部門の要望は聞くけれども「業務をこうしたら良いですよ」というソリューション提案は出来ない場合がほとんどだったと言えます。
つまり、「あなた(業務部門)が(要求仕様を)決める人、私(情報システム部門)が(情報システムを)作る人」という構図になっていたわけです。
しかし、ユーザー部門の要望を実現できる安価で、しかもユーザー部門だけで導入/運用できる汎用パッケージがどんどん開発され普及してきた今日、自社の基幹システムを汎用パッケージで強化する方針が打ち立てられたとなると、この先情報システム部門は社内でどのような役割を担えばよいのでしょうか。
業務には疎いのです。またERPに代表される汎用パッケージはブラックボックスとなっている場合が多いため、自社で改良を行うことは困難です。新システムの導入企画から稼働前までは、ユーザー部門とパッケージベンダーとの橋渡しをするという役割があり、これがとても大変な作業なのですが、稼働後には社内の情報システムインフラの維持管理以外にほとんど仕事がなくなってしまいます。例えば情報システム部門にこれまで20人程度の要員がいたとして、新システム稼働後にどれだけの人数が必要だと思いますか?
開発しないのであれば数人で対応できるはずです。
社内でも比較的ブラックボックスとなっていた情報システム部門に安住してきた要員は「情報システム開発」という仕事のみで考えると大リストラとなる可能性が高くなります。

私は基幹システム再構築を伴う業務改革プロジェクトをご支援するケースが多いのですが、基幹システムを汎用パッケージに置換して強化するような場合は、必ず「情報システム部門の将来展望」について企画する作業を盛り込みます。
つまり、新システムが稼働してからどうしようか考えるのではなく、かなり手前の段階で新しい情報システム部門の役割や展開計画を練るのです。
このように手前の段階から情報システム部門の皆さんへの意識付けを行いながら検討することで、危機意識や当事者意識も醸成されます。
主に
1.情報システム部門に求められる新たな役割、機能、組織体系
2.情報システム部門要員に求められる新たな知識・技術とその育成方法

について検討します。

ちなみに、JUST(情報システムユーザー協会)が毎年実施している「企業IT動向調査」の2012年度版によりますと、
 -IT投資で解決したい中期的な課題
   1位:業務プロセスの省略化
   2位:迅速な業務把握、情報把握
   3位:IT開発・運用コストの削減

 -ビジネスプロセス変革がIT部門のミッションとなっている企業は全体の60%になっている
    (売上高1兆円超の企業では80%)


 -IT部門発のビジネスイノベーションを成功させる最大のポイント
   1位:経営部門とIT部門との意思疎通の緊密さ
   2位:社内各部門とIT部門との意思疎通の緊密さ
   3位:部門横断・全社最適での業務プロセスの理解

 -IT部門発のビジネスイノベーションを進めるための「十か条」
   ① 実態を把握し可視化する
   ② 意識を改革する
   ③ 定期的に会合を持ち意思疎通を図る
   ④ 専門組織や担当を配置し権限を付与する
   ⑤ レポートラインを確立する
   ⑥ 経営レベルでの検討の場を設ける
   ⑦ 組織と組織の連携を図る
   ⑧ プロジェクトを設置する
   ⑨ 上流・超上流から取り組む
   ⑩ 人材を育成する
となっています。

ユーザー部門からの要求に対してプログラムを開発するという役割から、相当に高度な経営レベルの役割にシフトしていると言えます。
これから基幹システムを汎用パッケージで強化する予定がある企業のシステム部門の皆さん、行動も意識も変える準備はできているでしょうか。
もちろん、ユーザー部門の皆さんも、冒頭で説明しました通り、余りにツールにこだわり過ぎて、仕組みの改革、意識の改革を怠らないように心掛けなければなりません。


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