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閉店時間から考えること
みなさん、こんにちは。

つい最近のことですが、夜中の1時に目が覚めてしまいました。寝られそうもないので仕方なく1時に起床しました。コーヒーを飲んで仕事をしようと思ったのですが、家族はまだ寝ていますので、音を出して起こしては悪いと思い、深夜もやっているファミリーレストランへ出掛けました。
行った先は大手のファミリーレストラン、しかし24時間営業ではなく3時までの営業となっていました。まあ3時でもいいかと思いその店に入りました。
ドリンクとスープを注文し、資料を作成していたのですが、実に静かで最初は大変満足していたのですが、2時を過ぎた頃でしょうか、店員さんが片付けを始めたのです。コーヒーのサーバーが止められ飲めなくなりました。そして2時30分過ぎに「ラストオーダーとなりますが・・・」と確認に来られました。私は特に追加注文はないので「いりません」と答えました。これを機にという訳でもないのでしょうが、私がスープをすすっている横で今度は床をモップで掃除を始め、別の店員さんも出て来て、ほうきと塵取りで掃除を始めたのです。塵取りの音がガタガタと気になります。店員さん自身はテキパキと清掃されているのですが、まるで私(一応はお客です)など存在しないかのような行動です。そして空いているテーブルの椅子を机の上に上げ始めます。時計を見るとまだ2時36分頃です。
さすがに「帰れ!」と言われているような気がして支払いをして店を出ました。
サービス業でしかも顧客との接点にある飲食店でこのような対応をされたことにはビックリしました。
この店の「顧客起点の事業運営」「顧客満足度」とはどう定義されているのだろうか・・・

そして一番気になったのが「3時まで営業」の定義です。2時30分にお客さんが店に居られる雰囲気ではなくなるのであれば営業時間は2時30分ではないのだろうか。では3時とは店員さんたちが後片付けをして帰宅する時間なのだろうか。しかし2時30分に「ラストオーダー」の確認をしにきているのだから、追加のオーダーをすればこの「帰れ!」サインが出ている中で飲食を強いられるのだろうか。そもそもお客さんが食事をしている横で掃除を始めることに何の躊躇も申し訳なさの感情も起きないのだろうか。色々と考えてしまいます。

私は別にこの情報をネット上で拡散して、こんな店には行かないようにと言うつもりはありません。しかし繰返しになりますが、ビックリしました。

ところでこのお店のように、3時閉店の定義がよくわからない、あるいは顧客から見えにくいということはしばしばあります。例えば、顧客の納期通りにモノが納入出来たか否かを計測する経営指標に「納期遵守率」があります。
ある企業では最初に内示を受領した時点の納期に対する自社が出荷した日時で評価しています。ある企業は色々と納期調整をして最終的に顧客に約束した納期で評価しています。またある企業は確定注文を受領して顧客に回答した納期で評価しています。またある企業では出荷するのが精一杯で評価すらしていません。
また企業によっては人によって納期遵守率の定義が異なっている、つまり会社として統一・浸透していない場合もあります。
ここで重要なことは何を目的として「納期遵守率」を集計し評価するのかということです。自社の経営状態をよく見せるための集計では意味がありません。経営者は喜ぶかもしれませんが、経営者の喜びと顧客の喜びが乖離してしまう危険性があります。
「納期遵守率」の例で言えば、「顧客起点」の集計・評価でなければなりませんよね。決して自社起点であっては意味がありませんし、自己満足で終ってしまいます。そんなことなら集計などする必要はありません。しかしこれがしっかりと決められていない、決められた通りにPDCAが運営されていないということがしばしば見受けられます。

あるいは、24時間納期回答、48時間納期回答というのもあります。これはどこからどこまでのアクティビティの時間を指しているのか、納期回答を出す側と受ける側で合意形成されていなければ成立しません。
そのような意味ではアスクルの配送納期は非常にわかりやすいと思います。配送エリアが決められてはいますが、当日の朝11時までに注文すれば、当日中に品物が届きます。顧客との間でトラブルや齟齬が出にくいと言えます。

やや異なる観点でお話しすます。これも経営指標ですが、ROE(Return on Equity)=株主資本利益率というのがあります。これは株主が投資した資本でどれだけの利益が上げられたかを計測する指標です。日本企業は欧米に比べてROE値が非常に低いと指摘されています。海外の資本家からすると低いROEでは文句を言いたくなるということもあるでしょう。
しかし、恣意的か否かは別としても資本を減らしたらどうなるでしょうか。資本が減ればROE値は高くなります。資本が減った後、資金調達が必要な場合は借金で対応するという手もあります。もし投資家にROEを良く見せるのが目的であるならばこういう施策も打つことが出来てしまいます。

まずは指標の定義をしっかり行うこと。その基本は他社が採用しているからとか、今注目されているからではなく、誰のための何を目的とした指標であり、その指標に基づいて業務やマネジメントをどう運営していくかです。つまりPDCAの業務基準の策定です。実績だけ集計して「今回はよかった、悪かった」もダメです。

双方でわかりやすい、目的が明確ということが重要です。

ところで、ファミリーレストトランの件に戻りますが、どなたか「いや、こんな感動的なサービスを経験しました!」というエピソードはないですか?「こんなひどい経験をした!」がとかく集まりやすいと思いますが、こんな経験を集めても人生楽しくはなりませんよね。

みなさん、未来に向って叡智を出しましょう!!
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『The Product Mindset 2012』の調査結果
みなさん、こんにちは。

米国の第三者安全科学機関であるUL Inc.は、製品の製造、販売、購入、消費に対する製造者と消費者の意識を解き明かす『The Product Mindset 2012』の調査結果を発表したようです。
この調査は、ULが昨年2011年に続き第2回目の世界調査として、米国、中国、ドイツ、インドの4カ国を対象とし、製造者(1,202社)と消費者(1,201人)への聞き取り調査に基づきまとめたものです。今年の調査では、急速な楽観主義の後退とともに、品質・安全・環境に対する期待が高まっていることが浮き彫りとなったようです。

以下ニュース記事より転載させて頂きます。

(転載開始)

■製造者は、サプライチェーンの加速するグローバル化、複雑化に圧力を感じている
・ 資材調達におけるグローバル化が加速する中、製造者の46%が今後5年間に自国外からの調達を増加させることを検討している。その内の79%は、既存の調達国からの移行ではなく、新しい国を追加しようとしている。
・ 43%の製造者は、自社の新市場への進出能力にあまり満足していない。
・ 76%の製造者は、グローバル調達が製品品質を向上させる手段になりうると考えている。この項目は、前年と比べ19%増加しており、製造者が、不安定で経済的にも厳しい世界市場において競争力を高める必要があると考えていることを反映している。
・ 最良の原料、材料、部品を使って製品が作られていると信じている消費者は30%にすぎない。
・ 57%の消費者が、自分達が購入する製品の製造国を認識している。その一方で、62%の消費者が、製品の組立て地より、その部品の原産地を知ることの方が重要と考えている。
・ 44%の消費者が、製品の原産地を知ることの重要性は今後5年間でさらに高まると回答している。
・ 平均で48%の消費者が、製造者とその資材供給者(サプライヤー)が、労働者の倫理的かつ公正な待遇に加え、職場の安全確保に十分な対策を講じていないと感じている。
・ 中国では4分の1以下(24%)、インドでは半数以下(40%)の消費者が、製造者とその資材供給者(サプライヤー)が、労働者の倫理的かつ公正な待遇に加え、職場の安全確保に十分な対策を講じていないと考えている。米国の65%、ドイツの消費者の64%に比べ、対照的である。

■品質は引き続き重要な牽引役
・ 製造者は、今日の成功をもたらした最も重要な要因として、「品質」を挙げており、それは将来も変らないと考えている。
・ 38%の製造者が、消費者にとって最も重要なことは「品質」であると回答している。
・ 91%の製造者が、製品に対する性能試験の重要性が増していると考えている。
・ 消費者は、購入製品を決定する一番の要因として、「品質」を挙げている。
・ 食品、建材、ハイテク機器、スマート機器の各分野において「品質」は、消費者にとって最
も重要な製品情報として、一位または二位に位置づけられている。

■消費者の知識レベルの向上
・ 製品安全の課題として、ハイテク機器ではオンライン・セキュリティ、住宅用建材では有害排出物質および室内空気汚染を第一の懸念事項であると回答し、消費者は製品分野により、やや異なる見解を示している。
・ 消費者は、身の回りで頻繁に使用される製品の安全性をより重視する。製品安全を重要だとする順位は、生鮮品(29%)、加工食品(27%)、住宅用建材(23%)、ハイテク機器(10%)、スマート機器(9%)となっている。消費者が、食品や建材の購入を検討する際、最も必要とする情報は製品安全だが、AV機器やスマート家電の購入を検討する際に必要とする3大情報の中に製品安全は含まれていない。
・ 製造者の68%が、製品に含まれる原材料や部品に関する情報を消費者に明示することが大切だと考えている。

(転載ここまで)

調査結果を見る限り、生産機能、調達機能のグローバル化はますます加速するものと言えます。そして今後のテーマは設計・開発機能のグローバル化でしょう。これまでの高性能品の開発・設計は国内に残すにしても、新興国へ販売する製品については古い製品や現製品群のローエンドモデルと捉えては商機を逃すことになるでしょう。そうではなく、現地のニーズを新たな製品群として開発~生産~販売するサプライチェーンのモデルの構築が重要と考えられます。

更にこのように各サプライチェーン機能がどんどん海外へ移転あるいは新設されていく中で、グローバルに拠点をコントロールできる人材を早急に確保することも極めて重要な経営テーマです。
まだまだ緩やかな動きにある例えばアフリカのマーケットであれば、現地の人材を採用し、これからじっくり何年かかけて育成していくという手法もあり得ると思います。
しかし既に成長の軌道に乗ってしまった中国などでこんな悠長な手法は取れません。外部からのグローバル人材の登用を視野に入れざるを得ないと思われます。
この延長線上にあるのがM&Aですが、世界的にもあまり成功している事例は少ないですね。デロイト・トーマツの統計によりますと、世界540カ国でM&Aで成功しているのは三分の一となっています。

また私が以前から言っているサプライチェーンのネットワークを出来る限り正しく把握することです。材料調達先、外注先、販売先の開拓が加速するほどにサプライチェーンのネットワークは複雑化し、リスクも高まります。また各企業毎に担当をつければ社内の人員も増加し管理も複雑化していきます。せっかくサプライチェーンを強化しても知らないうちに複雑化したり重複が発生したり、ボトルネックが変化していては強みが発揮できなくなります。この点、絶えず変化し続けるサプライチェーンをマネジメントする組織が必要と言えます。
また、社内の仕組みとしては、従来は取引先からの要請に基づいて構築してきたトレーサビリティ(材料調達、製造、販売履歴を追跡する仕組み)は、アフターサービスも含めてもはや必須といえるでしょう。特に食品、医療関連は重要と言えます。

やるべきことは山積しています。これをチャンスと見るか、脅威と見るかは皆さん次第です。

因みにこの調査は米国、ドイツ、中国、インドで行われたようです。米国の機関であるため米国が対象国となっているのはわかりますが、やはり日本はもはやサプライチェーンへの影響力が低いと見なされているのでしょうか。危機感を持ってしまいます。

みなさん、未来に向って叡智を出しましょう!!
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