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モノづくりを知る
みなさん、こんにちは。

皆さんは「工場見学」を体験されたことはありますか?
私はお客様をご支援させて頂く際には、必ず工場を見学させて頂きます。非常に数多くの現場を拝見させて頂いております。
しかし、仕事とは関係なく工場見学が体験できる場もありますよね。
私が住んでいる愛知県でも、ビール、牛乳、酢、新聞などさまざまな工場見学・体験できる企業があります。
ご参考までに、全国の工場見学を案内しているサイトはこちらです。

工場見学ナビ

直接現場を見る、体験するということは非常に重要なことだと思います。
現地・現物・現実の基本ですね。
しかし、いくら役立つと言っても物理的な問題もあり、全国の工場を巡るのは大変なことです。
そこで今回は、既にご存じの人もいらっしゃるかも知れませんが、科学技術振興機構が主催するサイエンスチャンネルをご紹介いたします。
お子様がいらっしゃる方はぜひご一緒に楽しく現場を体感して下さい。
番組検索欄から「製造」などと入力して検索すれば、いろいろなモノづくり番組が見られます。
私は殆どの番組を見ました(暇なのでしょうか・・・)。

サイエンスチャンネル

知ったこと、興味が持てたこと、疑問に思ったことなどを体感した皆で話しあえるといいですね。
「知る」ということは成長に繫がります。

みなさん、未来に向って叡智を出しましょう!!
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身近なビジネス環境の変化
みなさん、こんにちは。

グローバル化、新興国の台頭、水平分業の加速、新規参入企業の増加、製品ライフサイクルの短縮など企業を取り巻く環境は、今日大きく変ってきています。
私も製造企業の事業基盤強化のご支援をさせて頂き、現状分析を行う時、これらの問題を実感いたします。
しかし、メデイアで露出の多いこれらの環境だけではなく、身近なところでも大きく変わってきているという事実をご存じでしょうか。

新聞や雑誌などで毎日のように目にするコトバで「少子高齢化」というのがあります。
今日の日本では当たり前のように取り扱われる問題ですね。
これに関連した情報を今回はこれを取り上げます。

まず「紙おむつ」の市場構造を考えてみましょう。
「おむつ」と言えば、まず誰でもイメージするのは赤ちゃんや幼児ですね。
ところが、2012年3月時点で、日本衛生材料工業連合会が「大人用紙おむつは数年後に乳幼児用を上回る」という予測を発表しました。少子高齢化が最大の要因で、2011年の生産数量は、乳幼児用が29万6203万トン、大人用が28万7688万トンとなったようです。大人用紙おむつは年率5%増で伸びており、2015年までに大人用の生産量は現在比で15%増となる予測です。

乳幼児紙おむつ市場_20130121

大人紙おむつ市場_20130121

乳幼児紙おむつ使用者数の推移_20130121

大人紙おむつ使用者数の推移_20130121

新生児と老齢人口の推移_20130121

【注意】図中の「転換率」とは布おむつから紙おむつへの移行の程度を指しています。乳幼児の転換率が93.5%に達しているということは、今後布おむつの需要はほとんどないということになります。

私など、普段身近に接することがないため、こんな事は考えてもみませんでしたからビックリです。紙おむつの大手であるユニチャーム社は、2013年3月期には逆転する見込みと発表しています。
さらに大変興味深いのが、少子化と言われながらも、乳幼児向け紙おむつの生産数は微減に留まっています。これは乳幼児が紙おむつを利用する期間が長期化しているためです。以前ですと、2歳の夏にはおむつを卒業というのが一般的でしたが、最近は無理をして早く卒業しないという考え方もあり、平均で36ヶ月使用するようです。
さて、需要の視点で整理してみましょう。乳幼児は生まれた時点からおむつを使用しはじめます。ですから妊婦さんの人口や毎年の出生率から需要はある程度予測できます。使用期間は個人差があるものの、長期化の傾向にあります。しかしいずれはおむつを卒業するため、卒業時点で需要はなくなります。
一方の大人は使用し始める時期は人により異なります。需要は「ある時突然」始まります。しかもすべての大人が使用するわけではなく、しかも用途も多く、需要の予測は乳幼児ほど簡単ではありません。しかし一端使用しはじれば、多くの人が生涯にわたって使用し続けると言えます。さらにその使用期間は寿命が延びれば、需要期間も延ます。
つまり、大人の方が、需要の母数が確実に増加する上、リピート率は乳幼児よりも相当高いと言えます。

さて、日本で既にこのような状況ということは、世界を市場と捉えれば、いずれは成熟していく国においても少子高齢化は訪れるわけですから、成長性があると言えるのではないでしょうか。
では世界、日本、中国、インドの人口構成を見てみましょう。

世界の人口構成_20130121

日本の人口構成_20130121

中国の人口構成_20130121

インドの人口構成_20130121

中国は1979年から導入された「一人っ子政策」によって、これから少子高齢化が加速するとの報告があります。しかし現時点ではまだ、日本のような人口構成にはなっていません。しかし人口が多いだけに、加速した場合は労働力、退職金、年金などさまざまな問題も深刻化すると考えられます。
しかし、おむつ市場は非常に大きいことがわかります。
インドはまだまだ乳幼児おむつの需要が大きいですね。
アフリカなどの乳幼児用の需要が非常に大きいと予測できます。
こうして数字で確認することで、漠然としていた日本の少子高齢化がよくわかります。

次に、オーラルケア市場はどうでしょうか。
今回はこの中の歯磨き粉を考察してみましょう。歯磨き粉のシェア№1はライオンです。

歯磨き出荷シェア_20130121

歯の気になる事_20130121

同社の調査によりますと、歯に関する気になることで、「歯垢」「口臭」「歯周病」などが高いポイントを示しています。

これらの問題を抱えているのは当然のことながらシニア層が多いはずです。こうした問題に対応する歯磨き粉商品は500円以上の高価格帯です。以前と比較すると、自分の歯の残存率が高まっています。20本以上残っている割合が、65~69歳で約70%(1993年は約31%)、70~74歳で約52%(同25%)、75~79歳で約48%(同10%)のようです。つまり歯の残存率が高まることによって、これらの問題を抱える人も増加したわけです。高価格帯商品が伸びるわけですね。

シニア層を対象としたビジネスと聞くと、介護、宅配、代行などを想起する人が多いと思います。介護でも入所型や訪問型など細分化されていきます。宅配も食材の宅配や食事の宅配などに細分化できます。細分化すればするほど、具体的な生活シーンからビジネスがイメージできてきますよね。
私たちの身近な両親や祖父母の日頃の生活シーンを観察して、どうしたら「助かった」と喜んでもらえるか、じっくり考えてみることによって、現在存在するシニア層向けのビジネス以外にも新たなビジネスチャンスが発見できる可能性がありますね。


みなさん、未来に向って叡智を出しましょう!!
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問題発見と問題解決
みなさん、こんにちは。

今回は問題発見~問題解決について考察したいと思います。

問題とは、「本来あるべき状態と現在の状態との間に乖離=ギャップがあること」と定義できます。
ギャップがどれだけあるのかは企業によって異なります。勿論問題の数も異なります。
このギャップの程度を正しく把握することにより、解決のためにどれだけ努力しなければならないのかがわかります。
わかれば解決に向けた計画も適切に立案できます。
このようなお話しを企業のプロジェクトメンバーにさせて頂くと、大体の人は「そんなこと当たり前じゃないか」というような顔をされます。
そうですね、当たり前すぎることです。コンサルタントに言われなくてもわかっています。しかし、わかるのはその基本的な考え方であり、実態はよくわかっていないという状況が非常に多く発生しています。
では、なぜ問題が私たちの周囲に山積み状態となっているのでしょうか。
ポイントは、
 1.本来あるべき状態を正しく理解しているか
 2.現状を目的意識や問題意識を持って見ようとしているか
 3.ギャップの程度を正しく計測しているか
 4.解決に向けて当事者意識を持って取組もうとしているか

となります。

1.本来あるべき状態を正しく理解しているか
「営業が販売計画をきちんとメンテナンスしてくれないから供給計画の変更ばかりしなければならない」
「設計の出図が遅れるから納期通りに出荷できない」
「購買オーダーの納期調整、変更に時間がかかるから、人員増強して欲しい」
など、よく遭遇する状況です。確かにどの事項も、問題意識は持っているようです。しかし、これらの業務は、当初どうあるべきだとデザイン(業務設計)をしたのでしょうか。
例えば、販売計画はいつの時点の計画を誰がいつまでに、どの程度の期間作成しなければならないと定義したのでしょうか。
設計部門の出図は生産準備の何日前までに完了していなければならないと定義したのでしょうか。また部分出図でもよいのでしょうか。出図が1日遅れることによるリスクはどの部門の責任としていたのでしょうか。
これらのことを正しく理解していない場合が非常に多いのです。そしてここで注意しなければならないのは、あくまでも「本来どうあるべきか」であり、「現時点で問題で困っている当事者あるいは当該部門としてこうして欲しい」ではないということです。まずは、本来のあるべき状態を各関係者間で共有しなければなりません。「現時点でこうして欲しい」は部分最適化を生じさせてしまう危険があります。
しかし一番困るのは「本来あるべき状態」を誰も知らない、明文化されていないという場合です。こういう場合は現在の事業環境、組織構成等を考慮した上で再定義しなければなれません。

2.現状を目的意識や問題意識を持って見ようとしているか
皆さんは「クロッキー キクロー」という遊びを知っていますか?私は知りませんでしたが、たまたまお客様へ向う車の中でラジオで話しているのを聞いて知りました。
クロッキーというのは、車のナンバープレートが黒地でナンバーが黄色のものだそうです。軽自動車の営業車や宅配便車がこれに該当します。キクローは、その反対で、黄色地に黒のナンバーだそうです。こちらは自家用の軽自動車が該当しますね。それで、クロッキーを見たら見た分だけ幸せになれる。クロッキーを見たら両手で四角形をつくりナンバープレートに合わせるのだそうです。
普段の私たちは車の運転をしていれば、前方の車のナンバープレートぐらいは目に入りますが、いちいちクロッキーかキクローかなんて意識はしていません。ましてや車を運転していなければ車の存在もさほど気にもしていませんね。
しかし、この遊びをしている小学生はよく車を観察しています。

ではもうひとつ。これは問題発見のお客様向け研修で必ず質問することなのですが、セブンイレブンの看板のロゴはどう書かれているかご存じでしょうか。皆さんも一度思い出してみて下さい。
いかがでしょうか。答えは「7-ELEVEn」ですね。最後のNが小文字なのです。「そう言われれば」という人もいらっしゃるでしょうし、「初めて知った!」という人もいらっしゃるかも知れません。
「それがどうしたっ!そんな事知らなくて何か問題になるのか!」とご立腹なされないようにお願い致します。
私が何をお伝えしたいかというと、人は何百回と見ても、見えないものは見えないのです。つまり見ようとしなければ見えないものなのです。私たちは(もちろん私自身も含めてですが)この「見る目」の力を高めなければなりません。
見る目の力は3パターンあります。
1)虫の目・・・対象を絞り込んで細かく深く見る
2)鳥の目・・・高い所から全体を俯瞰する
3)魚の目・・・仕事の流れや時流を読む、見る

です。
しかし、虫の目で問題がないか観察すれば良いかというとそれほど単純ではありません。もちろん、気にして見ようとすれば見えてはきます。しかし、それプラス「多分こんな状態になっているんじゃないだろうか?」と事前に予測して見ると、もっとよく見えてきます。つまり「仮説」を持つということです。しかしここで注意しなければならないことがあります。「仮説」は重要なのですが、「思い込み」はだめなのです。「思い込み」はかえって問題を見えなくしてしまうのです。例えば、「在庫の過不足ないはずだ」「仕入先からの納品物は品質上問題ないはずだ」では見えないのです。この点、十分に注意したいものです。経験を積めば積むほど、「思い込み」も強くなる傾向にあります。自分自身に「思い込みはないだろうか」と問うことが大切と言えます。

3.ギャップの程度を正しく計測しているか
問題発見とは発見することが目的ではなく、できる限り早期に本来のあるべき状態に回復することが目的です。このためには、単に問題だ問題だと騒いだり指摘してもダメです。「何がどの程度」問題であるのかを関係者で共有しなければ、具体的な打ち手は立案できません。私たちはよく発生する問題、これまでに経験した問題に対しては、無意識にギャップの程度を把握しており、対策できます。しかし経験がない新たな問題に遭遇するとどうしたものかと悩みます。いきなり悩むのではなく、どの程度かということを正しく計測する必要があります。そのためには、問題が発生する頻度と発生した場合の影響の程度も把握/予測しなければいけません。後者はリスク管理にも活かせます。
ギャップの程度が正しく計測できれば、状態を回復するための努力の程度もおのずと導出できます。問題の程度が把握されずに打ち手を立案すると表層的であったり、効果のないものであったりします。また、ギッャプの程度とは何も発生している問題だけではありません。それを実践する担当者の現在の能力にも関わってきます。ベテランの担当者と入社して3ヶ月の新入社員では実践力に差があるはずてす。この点も見落とさず計測する必要があります。

4.解決に向けて当事者意識を持って取組もうとしているか
組織間の問題に取組む場合、自分の組織で実践することは一所懸命取組むものの、相手の組織のことは知らん顔、ということもしばしば発生します。もちろん双方で役割分担したのですから、相手にも一所懸命に取組んでもらわなければなりません。しかし双方の努力の結果が問題解決に繫がるのであれば、相互に助け合う、相手の取組みも私たちと関係あるんだ、という姿勢は大切です。相手はどうして打ち手の実践が進んでいないのか、自分達にできることはないだろうかという姿勢が大切なのです。そして自分達で会社や事業をよりよくしていくという基本的考え方が重要です。問題は指摘するけれども対策するのは自分達ではないというのを「評論家」と言います。企業に評論家は必要ありません(もちろん問題を指摘するばかりのコンサルタントも必要ありません)。問題を指摘したら自ら手を挙げて実践するぐらいの仕事に対する覚悟を持ちたいものです。それは自分の貴重な財産になります。成長を促します。仕事の幅も増えます。
ちょっと変った考え方かも知れませんが、私自身は当事者意識を強く持つというのはあまり好んではいません。究極的には当事者意識など気にせず、淡々と問題解決を実践できるクセづけが一番よいと思っています。
ただし、チームで取組むとなると相当に高度に発達したメンバーでなければ難しいとは思っていますが。

最近、色々なところで「ビッグデータ」という文字を目にします。日経BP社の資料によりますと「ITによりヒトや様々なモノ・場所から大量の情報を収集して分析することで、市場予測の精度を飛躍的に高めたり、これまで隠れてきた新たな関係性を発見したりする。その成果を基に革新的なビジネスモデルを生み出し、競合を一気に圧倒して市場を席巻する」とありました。完璧といいますか、素晴らしいコンセプトだと思います。しかし何だかビッグデータへ取り組み、そのようなツールを導入するだけで、企業の未来が輝かしいものになるイメージを持ってしまうのは私だけでしょうか。ツールが物事を解決してくれるワケでも新たなビジネスモデルの解を導いてくれるワケでもありません。やはり収集したデータを見る目が重要となります。ITの新たな仕掛けばかりに振り回されてはいけないと考える次第です。
また、関係性とひとくちに言っても、「因果関係」「相関関係」「補完関係」「従属関係」「対立関係」など多岐に渡りますから簡単ではありません。一番難しいのは「人間関係」かも知れませんが・・・

さて、皆さんいかがでしょうか。
今この時点でも問題はどこかで発生していますし、解決していない問題も存在します。
さらに、まだ見ていない問題も当然存在します。

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マスター管理の基本
みなさん、明けましておめでとうございます。
今年も1年、どうぞよろしくお願いいたします。

昨年の12月は大変失礼いたしました。すっかりブログの更新が停まってしまいました。
とにかく色々と雑多な要件で手がまわらなくなっておりました。
今年は出来る限り、最新の情報をお伝えするように努力して参ります。

今回はマスター情報の一元化について考察したいと思います。

マスター情報とは企業内で使用される「製品」や「顧客」などの基本情報です。
この基本情報に基づき、顧客別の売上情報や製品別の原価などの情報が生成されます。これをマスター情報に対してトランザクション情報と言うことは皆さんもご存じと思います。
つまり、トランザクションの元となるのがマスターであり、データ管理の中枢を担うものと言えます。
近年は情報システムを再構築する際に、基幹となるシステムを1つのシステムで統合し、データも統合しようという動きが主流となっています。ERPという統合システムがその代表です。

情報システムで業務の効率化を実現するというアプローチが行われた初期は、各部門毎の業務システムが徐々に構築されていきました。例えば購買部門において注文書を手書きで作成するのが大変なため、画面から注文データを入力し、情報システムから注文書を発行するとか、毎月の給与明細を手書きで作成するのが大変なため、情報システムで対応するなどの例がわかりやすいと思います。
ズバリ、昔のシステムとは「伝票発行システム」だったわけです。
この様に個々の情報システムは、全体最適の視点から構築されておらず、部分最適となっています。またマスター情報も各システム毎にバラバラに構築されています。他部門のシステムとの連携もあまりなく、個別システムで完結しているため、統合/一元化する必要がなかったとも言えます。したがって、Aシステムでは従業員コードは0001から始まる連番であるのに、BシステムではXX-001という体系であったりしました(XXは部門の識別と理解して下さい)。

こうして様々なシステムが1企業内に存在した状態というのは情報システムの維持・管理も大変になってきます。更に企業が大きくなり、営業/生産/物流拠点も拡大していくと、拠点毎のシステム構築が行われ、ますます維持・管理が複雑化していきます。すべてを理解している情報システム部門担当も存在しません。
これは限界と、ERP等で1システム、1データベースの構築が試みられます。
しかし業務もバラバラ、コード体系もバラバラでなかなか統合が進みません。
このコード体系ですが、以前は人が見て何かがすぐにわかるような「有意コード=意味ありコード」が頻繁に使用されていました。会社の規模も小さく、製品数や顧客数、従業員数などが少ない時代には通用しましたが、限界に達します。そうするとコードの桁数を拡張したり、別の項目を追加し、従来のコード+新たなコードで識別するようにするわけです。中枢となるマスターの桁数を変更する場合、どこにどのような影響が発生するのか、対応しなければならないアプリケーションやシステム間のインターフェースはどの程度あるのかという大変な調査と修正が必要となります。
これを回避するためにも言わば「暫定的な対応」として追加項目で対処したりされてきたわけです。

しかしシステムの分散化は情報の適時性や整合性維持が大変困難です。また管理のために必要な情報を参照・活用することにも制約がついたりします。
これが分散管理の限界であり、システム統合、マスター統合に向かうわけです。
私も事業改革の支援をさせて頂くとき、システム統合、マスター統合の支援も併せてさせて頂きます。
しかし、多くの企業でデータ管理の重要性への意識が低いと言えます。
 -間違った値でマスターが登録・使用されてる
 -重複するデータが異なるコードで複数件登録されている
 -有効期限が切れて不要なデータがいつつまでもシステム内に存在する
 -申請~承認~メンテナンス~確認の運用基準が明確化されていない

などなど、問題は多岐に渡ります。
例外とは思いますが、在庫マスターの情報と現物が毎月合致していないと、別の在庫マスターを新たに作成している企業もありました。いやー、一体どの在庫データを正規の情報とすればよいのでしょうか。

しかし、マスターを統合する、コード体系を統合すると言っても色々と検討しなければならないことはあります。
 1.何をコード化(マスター化)するのか
 2.新コードは「有意コード」とするのか「無意コード」とするか
 3.追番は何桁とっておけば将来に渡って機能するのか
 4.追番はいくつ単位で採番するのか
 5.何をもって製品や部品を一意と見なすのか
 6.どの部門が主管となって管理していくのか
 7.情報の精度や鮮度を保つためにどう管理するのか

まだ詳細に検討すべき事項は多々ありますが、重要な検討事項は上記が考えられます。
では順に考察していきましょう。

1.何をコード化(マスター化)するのか
システム再構築の際に、現状コードと新システムのコードを比較しどこにどのコードが対応するのかを整理します。この際に注意しなければならないのが、新システムで存在しないコードの取り扱いです。とにかく古いシステムではコード化されている属性が非常に多いという場合が散見されます。この場合の問いは簡単です。「そのコードは何のために使用するのか」「そのコードがシステムに存在しないと何が問題になるのか」です。
例えば、製品をコード化するのは何のためでしょうか。生産計画を作成する上で分類する、製品毎に生産高や売上高を集計する等の作業が必要となるからですよね。このように目的が適切で明確化される属性はコード化の対象としてよいのですが、目的がよくわからないのにコードとして存在する場合は対象から除外する必要があります。
以前は必要性があったものの、現在は必要性が無くなっているというコードも同様に考えるべきです。
とにかく、何でもコード化するとなると、コード体系が変った時、どの業務やアプリケーションに影響するかを調査し対処するのは大変な作業になりますので、この点は十分に理解する必要があります。

2.新コードは「有意コード」とするか「無意コード」とするか
先にも述べましたが、以前のコードは見て理解するために有意コードが圧倒的に多かったものです。しかし、コードの各桁に意味を持たせてしまうと、桁数が多くなりますし、意味の種類が増えてくると桁が足りなくなります。例えば「製品コードの先頭から5桁目は部門を意味する」とした時、企業規模が大きくなったり営業/生産拠点が増えてくると必ず1桁では足りなくなります。また部門と言っても、例えば「エレクトロニクス事業の製造部第1製造課」まで識別しようとすれば細かな部門コード設定が必要となります。
この場合も、なぜ製品コードの中に部門コードが必要なのかを十分に検討しなければなりません。仮に製造をどの部門で行ったのかが知りたいのであれば、製造履歴を追跡することでニーズは充足できますし、生産計画段階でこの製品はどの部門で生産すべきかを事前に理解したいのであれば、製品と生産工程の紐付けがあればニーズは充足できます。
できるかぎりシンプルに桁数は抑制し、無意コードを適用することも検討すべきでしょう。

3.追番は何桁とっておけば将来に渡って機能するのか
これは実は大変難しい検討事項です。未来永劫変らない、変りそうもない対象というのも確かにありそうです。例えば国の識別は今後それほど爆発的に増加するとは考えにくいでしょう。しかし2桁であれば大丈夫なのか、3桁は必要なのかは、当該企業の環境や過去の実績に基づきまちまちです。この点を十分検討すべきでしょう。特に過去に何度も桁不足を起こしているような項目は気をつける対象となります。

4.追番はいくつ単位で採番するのか
3項に関連する検討事項です。単純に自動採番すれば良い場合はそれほど気にする必要はありません。例えば購買注文情報の注番などがその代表です。0から1ずつカウントアップしていけばよい項目です。注文番号自体に大きな意味はなく注文の識別が出来ればよいからです。しかし、部門コードなどの場合、例えば1番からまず営業部門を並べ、次ぎに生産部門としたい場合、1ずつカウントアップするようなコード付与をしてしまうと、将来営業部門や拠点が増えた場合に、生産部門との間に挿入することができません。10単位でカウントアップするとか、コードを大分類、中分類と有意コード化する工夫が必要となります。
ただし、単に見た目の体裁ということであれば目的的なコード体系とはなりませんのでここも注意しなければなりません。

5.何をもって製品や部品を一意と見なすのか
例えば、わかりやすい例としてペットボトル入りのジュースで考えてみましょう。ある炭酸飲料があったとします。これが全国で共通であるのに、ある地域ではパッケージングを地域限定としたらどうてでしょう。あるいは、期間限定で内容量を増量して販売するという場合はどうでしょう。「ジュースを仕込む」という作業を捉えれば、前者はまったく関係ありません。容器のパッケージの問題だからです。しかし後者は生産量に関わる重要な事項なので何らかの識別が作業上必要となりますね。
また、コンビニでバラ売りする場合と、ディスカウントストアーで箱単位で販売する場合はどうでしょうか。営業部門では箱単位の受注なのか、バラの本数受注なのかが重要なポイントとなるはずですね。
このように、何を一意に識別するかも重要な検討事項となります。またこの検討事項も、目的を中心に、一意化する必要性を考えなければなりません。
因みに、この例の場合、パッケージが異なる場合は、製品グループというコードを別に管理し、製品コードは分けるという事で対応したり、販売や出荷の単位をコードとして管理し、製品コードは分けず、同一とするなどの対応をするということもよく行われます。

6.どの部門が主管となって管理していくのか
コードの主管はどこかというのも重要です。例えば顧客コードは営業というように、比較的容易に決められるコードもありますが、製品コードは如何でしょうか。お客様から受領する受注情報内製品コードを社内コードと出来る場合もありますが、複数のお客様と取引しており、各社バラバラの場合はこの方式は採用できません。また、製品の企画は開発部門、製品の品質面では品質保証部門、価格面では営業部門、使用される資材は購買部門、製造ライン編成やリードタイムに関しては製造技術部門など複数の部門が関与する場合はどうでしょうか。単に営業部門が主管となればよいというわけにもいきません。このようなコードは申請から確認に至るプロセスの主管の重要性が問われます。形骸化しないためにも改めて主管部門とは何をするのか、どう管理していくのかという業務面のデザインが必要となってきます。

7.情報の精度や鮮度を保つためにどう管理するのか
システムを再構築する際に必ず実施しなければならないのが不要なデータを削除したり、正確でないデータを補正したいりする作業です。これをクレンジング作業と言います。実はこれが大変な作業なのです。10件や20件、いやいや100件程度ならそれほど工数はかかりません。しかし1マスターで10万件、100万件を管理している企業もあります。こうなると、人手で不正確な項目をすべてチェックし補正するというのは無理です。各テーブル毎に、最低限正確性を保持しなければならない項目はどれか、ポイントを絞り込み、システムの支援も受けながらチェックと補正が必要となります。
しかし、システム再構築の段階でこのような大変な作業を行って整理したデータも時間の経過とともに劣化していきます。
これは定期的に点検が行われないことによります。これを防止するためには、業務マネジメントの基本原則である、PDCAの仕組みをマスター管理にも適用しなければなりません。では一体どの部門が主体となって各マスターの精度と鮮度をチェック、評価すればよいのでしょうか。先に設定した主管部門でよいとお考えの人もいらっしゃるでしょう。しかし、営業部門で申請し、営業部門でメンテナンスするようなマスターをチェック、評価するのも営業部門で適切と言えるでしょうか。この場合、客観性が保たれているとは言えません。しかし大掛かりな組織を編成出来ない企業が多いのも事実です。
このような場合には各部門間で相互チェックするなり、同一部門内でメンテナンスする担当とチェックする担当を分けるなりの工夫が求められます。
更に、改ざんの可能性は出来る限り排除する仕組みも大切となります。例えば6項で見たような、複数部門でメンテナンスが必要なマスターに関しては、当該部門で必要のない項目はメンテナンスの排他制御をするとか、非表示にするなどのシステム的な対応が必要となります。
「誰でも、いつでも、どこからでも」参照できるのが、可視化とは決して言えないものです。これはマスターガバメント、コンプライアンスの観点から今後は厳しく制御、管理していく必要があると言えます。

いかがでしょうか。皆さんの会社では今回考察してきたような事項を十分に検討した上でマスター管理がなされているでしょうか。
日頃からマスター管理の重要性を理解し、啓蒙・教育を徹底していく必要があります。マスター管理は瞬発力ではありません。継続的な仕組みが必要となります。
このようなことが徹底されていないと、せっかく業務やシステムを再構築して可視化を推進しようとしても、集まったデータの精度、鮮度が劣っていれば、信頼できない情報であり、問題発見⇒問題解決は実現困難となるでしょう。またマスター情報に基づいて策定された各種の計画も誰も信用されず、使われなくなっていく可能性も高まります。


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